セミリタイア夫婦二人の年金戦略

2023年4月5日水曜日

資産運用

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セミリタイア生活において資産額が十分にある場合はいいのですが、そうでない場合は年金を当てにしたいという気持ちが少なからずありますよね。我が家も年金は当てにしていて老後の生活費のベースになると考えています。年齢が20代30代の若い方はピンと来ないかもしれませんが2023年で私は52歳になるので年金受給ということが現実味を帯びてきています。

そこで夫婦二人の年金戦略を考えてみたいと思います。

年金受給世代のピークは2040年

出典:厚生労働省 https://www.jscpa.or.jp/public/30th/pdf/material_day2_1.pdf

若者は年金なんて払っても払い損になるという論調がありますが、その理由のひとつに少子高齢化により受け取る側(老人)よりも支える側(若者)の人間が少なくなるというのがあります。現状をみるとたしかにそうなんですけど、人間は必ず死ぬわけですからどこかでピークを迎えるはずと感じていました。それが2040年頃みたいですね。

年金報道をみると若者は損をするという意見ばかりですが受給世代が減少していくというニュースはみたことがありません。つまり少子高齢化といえど受け取る側も減少していくことを考えれば、そう悪い結果にはならないのではないでしょうか。また子供がどんどん増えて逆転現象が起きるかもしれません。

年金制度の要点

公的年金保険の種類

悪く言われることが多い年金制度ですが私はすぐれた保険商品であると考えています。そう年金、年金と呼ばれますが国民年金保険という保険商品なんですよね。保険商品ということを考えれば支払った分の元が取れない場合もあるということも理解できるのではないでしょうか。

それでは一言に年金と言ってもどんな種類があってどんなことに対応できるのでしょうか?

老齢年金→長生きリスクに対応

障害年金→ケガや病気で働けなくなるリスクに対応

遺族年金→一家の大黒柱が亡くなるリスクに対応

物価が上がれば年金もある程度上がる→インフレリスクに対応

どうでしょうか?

かなり優れた保険商品だと思いませんか。

また老齢基礎年金(国民年金)の半分は税金が使われているので未納することは絶対避けた方がいいですね。

原則65歳から受給

原則65歳から受給となりますが60~75歳の期間で受給は可能です。60歳で受給した場合は30%減、75歳で受給した場合は84%増となります。

75歳以降はずっと84%増の年金を受給することができますが自分がどれぐらい生きるのかわからないので何とも微妙だと感じます。

年金の減額率は月0.4%となり60歳で受給した場合は24%減、増額率は月0.7%で75歳受給の場合は84%増となります。

サラリーマンの場合はほとんどが厚生年金に加入していると思います。老後に貰える年金とは老齢基礎年金(国民年金)、老齢厚生年金(厚生年金)に分かれています。この2つは同時に受給開始もできますがずらして受給することもできます。

もしどちらかを先に受給するなら老齢基礎年金にしましょう。理由は在職老齢年金の対象外になるので収入が多くても年金がカットされることがないからです。

在職老齢年金 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/20140421.html

注意したいのは老齢基礎年金をもらい始めたら原則障害基礎年金が受け取れないことです。

障害年金ガイド https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03-2.pdf

国民年金は年間約80万円

国民年金保険料を40年支払った場合は年間約80万(月約6.5万)を受給することができます。会社員や公務員の方はこれにプラス厚生年金が加わります。なお受給の時には国民年金は老齢基礎年金と名前を変えるので注意しましょう。名前を変える理由がよくわかりませんが何か意味があるのな。

厚生年金は老齢厚生年金となります。

国民年金保険料と厚生年金保険料の内訳

国民年金保険料の半分は税金、厚生年金保険料の半分は事業主負担となっています。仮に国民年金保険料を免除申請せずに未払いしている場合は税金が使われていることから必ず損していることになります。

国民年金保険料は一定ですが厚生年金保険料は収入によって違います。厚生年金保険料の計算は標準報酬月額といって毎年4~6月の月収の平均値で割り出されます。月収には残業手当や通勤手当も含まれます。

出典:日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/20200825.files/01.pdf

ボーナスについては支給額かあ1000円未満を切り捨てた額「標準賞与額」をもとに保険料が計算されます。保険料は月収と同じ18.3%となります。

公的年金の税金

出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_1.htm

公的年金は税法上雑所得として扱われます。公的年金だから税金はかからないと考えていた方いらっしゃいませんか?私も最初は額面そのままだと思っていたのですが税金を引かれてしまうんですね。

公的年金控除額は60~65歳未満の場合は60万、65歳以上の場合は110万となります。ここまでは所得税の話ですが住民税についても考えておいた方がいいです。

出典:厚生労働省 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_1.htm

住民税非課税ぎりぎりの所得になるならば、あえて繰り上げ受給を選択しても良い場合もあるでしょう。住民税非課税の場合は国民健康保険料が減免される、通常3割負担の治療費が1割(75歳以上)になるからです。しかし社会保障負担はどんどん増大しているので改正される可能性は高いのかなと考えています。

年金定期便を確認しよう

年金定期便は年に1回郵送されてくるので見た事があるでしょう。この年金定期便には50歳未満、50歳以上、年金受給者用の3種類があります。転職回数が多い人はきちんと記録されているか確認しておいた方がいいですね。

年金定期便の見方は日本年金機構のサイトで確認できるので一度見てみてもいいかもしれません。

「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイドhttps://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/r3teikibin.html

年金の見通しは5年ごとの年金財政検証で行われている

年金財政検証って聞いたことありますか?私は年金のことを勉強するまでまったく知りませんでした。直近では2019年に行われていて次は2024年の予定です。

出典:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/000540198.pdf

様々なパターンを想定して公的年金の財政見通しを検討しています。未来のことなので予測通りにいくかどうかわかりませんがライフプラン同様にいろんな想定をしておくことで微調整しやすくなるんだと考えています。こういった資料を見るだけでも年金不安は和らぐのではないでしょうか。

年金の受給手続き

65歳(受給開始年齢)になる3ヶ月前に日本年金機構から年金請求書が送られてきます。65歳の誕生日前日から年金の請求が可能になります。第一号被保険者は市役所、それ以外は年金事務所への提出となります。

請求から1~2ヶ月後に日本年金機構から年金証書・年金決定通知書が届きます。その1~2ヶ月後に、年金のお支払いの案内が届き受給開始となります。

年金は原則として偶数月の15日に2ヶ月分振り込まれます。

この流れを見ると年金請求から約4ヶ月後に受給開始となるみたいですね。

年金の受給に関する届出・手続き https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/index.html

セミリタイア夫婦二人の年金戦略

制度改正や資産状況、健康状態などもありますからその時になってみないとわからないとしか言いようがないのですが現時点では私は65歳から妻は70歳から受給しようと考えています。

おまけ:夫婦二人子供なしの遺族年金について

遺族年金は家族の形でかなり差があるのですが夫婦二人子供なしの夫が第三号被保険者の場合は遺族基礎年金・遺族厚生年金ともに支給されないという情報を耳にしました。

遺族基礎年金は子供がいない場合は出ないので問題ないですが、遺族厚生年金も出ないとなると厳しいなと思いました。

このことをツイートすると次のような見解をいただきました。

 遺族基礎年金はそもそも子供いないと出ませんからいいとして、厚生年金の要件はhttps://t.co/N88G7aqweZ


これで全てですから、クロパーさんが長期要件(厚生年金加入期間10年以上+3号加入期間をあわせて合計25年以上)さえ満たしていれば、3号で死亡しても遺族厚生は出るんじゃないですかね…?

— burabura (@burabura_117) February 10, 2019

引用:Twitter

その後、年金事務所に電話確認を行いました。要点をまとめると次のようにお返事をいただきました。

国民年金と厚生年金の合算加入月が300か月(25年)以上ある場合は遺族厚生年金が厚生年金加入月に応じて支給される。ただし男性が受給する場合は配偶者死亡時の年齢が55歳以上であること。(60歳までは支給停止)

遺族年金制度

女性が受給する場合は何歳以上という縛りはありません。男性は働きなさいよということなんでしょうね。


【この記事を書いた人:クロスパール】

1971年生まれ、2017年9月にセミリタイア達成。資産運用の中心はインデックス投資で趣味として日本個別株を保有。日本株は配当・優待を長期に享受するスタイルです。

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2017年9月(45歳)セミリタイア、その後鳥取に移住してのんびり暮らしています。資産運用の公式(収入-支出)+(資産×運用利回り)を守りながらインデックス投資を継続中。お金のことやセミリタイアの日常、ダウンシフトした働き方などを発信します。

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