インフレ時代の資産防衛──無リスク資産を「年間支出7年→3年」に見直した理由

2025年11月10日月曜日

資産運用

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これまで無リスク資産(預貯金相当)をどのぐらい持つかについては二度検討してきました。

一度目は年間支出10年としました。

【現金が輝く時】投資信託の取り崩しのみで生活していくなら無リスク資産はどれぐらい保有すればいいか?

二度目は年間支出7年としました。

【セミリタイア実践】バケツ戦略で資産運用を最適化!私の事例と賢い資金管理術

【結果は変わらず】短期・中期バケツの量を再考

インフレを甘く見ていたわけではないのですが昨今のスピードに圧倒されています。普段買っているチョコレートが数年前の二倍の価格になっていました。

もちろんサービスや商品のすべてが二倍になっているわけではありませんが確実にインフレが進んでいることを実感しました。

インフレが進むということは現金の価値が減るということですね。現金のまま持っていたら購買力を維持できなくなります。

株式投資をはじめたきっかけは老後資産を作るということもありましたがインフレに負けない購買力を維持するという目的もありました。

現在は目論見通り株式投資でインフレヘッジ(購買力維持)できていますが無リスク資産(預貯金相当)の金額が大きすぎると感じました。

上記リンク記事を見てい頂ければわかりますが無リスク資産を保有しているのは株式の暴落に備えることが主目的です。

私はインデックス投資をコア(主力)としていますが取り崩しの有名なものとして4%ルールがあります。これは毎年4%を取り崩しても30年資産が枯渇することはないとうデータです。

ここでは4%ルールの詳細は割愛するので興味がある方は調べてみてください。

定年退職後(65歳以降)なら30年というデータでもいいのですが若くして資産収入のみで生活する場合はもっと長期間のデータが欲しいですよね。

それがこちらになります。


出典:https://earlyretirementnow.com/2016/12/07/the-ultimate-guide-to-safe-withdrawal-rates-part-1-intro/

Stocks(株式)100%で年3%取り崩すと60年後でも資産が枯渇しないということになります。注意点としては株式のリターンは一定ではありませんから暴落時に取り崩したりするとこのデータは当てにならなくなります。

いわゆるSRR(Sequence of Return Risk)シークエンス・オブ・リターン・リスクとは「リターン順序のリスク」と呼ばれるものです。

こういったことに対処するためにも無リスク資産(預貯金相当)を確保しているわけです。

【インデックス投資の出口戦略】4%ルール取り崩しはSRRに注意

4%ルールについては九条さんの記事がわかりやすいのでリンクを貼っておきますね。

FIREの4%ルールとトリニティ・スタディ

でも感覚的にリターンのブレがあっても3%の取り崩しなら問題なさそうな気もしますよね。いろいろとネット検索しているとちーさんのブログ記事を発見しました。

私が6年実践している2.5%ルールの詳細について

上記記事に私の疑問をコメントしてみました。

それがこちらです。


「4%ルールが20年株価が戻らなかった世界恐慌を織り込んで破綻しない結果」の部分ですがこれは知らなかったんですよね。データではあったのかもしれませんが気づけませんでした。

続いて「2.5%であれば過去200年で経験していないレベルの長期低迷が来ないと破産しない」の部分を見てこれはイケると思いました。

例えば年間支出が300万円の場合は4%ルールだと7500万円の運用資産が必要です。2.5%だと1億2000万円(=300万円÷2.5%)ですね。

2.5%ルールのそれぞれの年間支出と運用資産の表がこちらになります。


安全を重視した分それなりに大きな金額なりますね。

なおここには含み益に対する税金は含まれていないのでこの金額よりも多く必要なことが想定されます。そんなん絶対無理やんと感じるかもしれませんが良い材料として年金が含まれていないことがあります。

年金は人それぞれまばらですが2025年の老齢基礎年金(国民年金)の満額は831700円となっています。

参考記事:国民年金はいくら納めていくらもらえる?何年で元がとれる?

老齢基礎年金を80万円とすると年間支出はぐっと下がるので必要資産も少なくなります。

そうすると65歳からこんな感じになります。


減ったとはいえやはりそれなりの資産が必要になりそうですね。65歳でこの資産が必要ということは若い時にはもっと資産が必要になりますから2.5%ルールはかなりハードルが高いことがわかりました。

引き出し率の表をもう一度見てみます。


株式100%運用で引き出し率と枯渇しない確率100%を赤枠で囲ってみました。私は54歳ですから50年資産が枯渇しなければ十分と考えているのでリターンは3.25%で大丈夫ということになります。

ただ先ほども言ったようにリターンはブレがありますから絶対的に大丈夫だと言える2.5%ルールと3.25%ルールの差は気になるものの約10年後には年金受給する予定なので株式の低迷があったとしても乗り切れるのではないかと考えています。

3.25%ルールだと必要資産は次のようになります。


2.5%ルールと比べると必要資産は大きく減りました。一般的には難しい金額ですがセミリタイア・FIREを目指している人なら妥当と思えるものではないでしょうか。

話がだいぶそれてしまいましたが無リスク資産(預貯金相当)を持っていてもインフレにより購買力を維持できない(価値が下がる)ならリスク資産(株式)にお金の置き場所を移動して取り崩した方がいいんじゃないかと思ったんですよね。

無リスク資産(預貯金相当)についてXでアンケートを取った結果がこちらです。

出典:X

年間支出2年分以下が多数でした。

私もそれぐらいか年間支出2~3年分が妥当だと思いました。

現在は年間支出7年分の無リスク資産(預貯金相当)を保有しているので3年分を目指して減額していきます。



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