【インデックス投資の出口戦略】4%ルール取り崩しはSRRに注意

2023年4月3日月曜日

資産運用

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SRR(Sequence of Return Risk)シークエンス・オブ・リターン・リスクとは「リターン順序のリスク」と呼ばれるものです。簡単に言うとプラスのリターンが先にくるか、マイナスのリターンが先にくるかでその後の結果が大きく変わるというものです。

4%ルールとは資産運用額の4%未満を年間支出額として取り崩していけば30年以上が経過しても資産が尽きる確率は非常に低いというものですね。つまり年間支出額の25倍の資産が必要ということになります。4%ルールについてもっと知りたい方は調べてみてください。

先進国株式インデックスの30年年率平均リターンは9.5%

インデックス投資をしていると30年年率平均リターンというような言葉を聞いたことがあると思うのですがこれは上がったり下がったりした年率リターンを30年で平均するといくらというものですね。

先進国株式インデックスに採用されている円換算された指数にMSCI コクサイ・インデックス (KOKUSAI) (円)があります。これによりますと30年年率平均リターンは+9.5%となっています。

出典:my index(https://myindex.jp/data_i.php?q=MS1105JPY)

先ほども申し上げたようにこれは平均です。実際にはもっとデコボコがあることは皆さんご存知でしょう。そのマイナスリターンが最初に来た時に気を付けないと結果が大きく変わってきます。

SRR(Sequence of Return Risk)シークエンス・オブ・リターン・リスクの検証

4つのパターンで検証

(A)30年年率平均リターン4%とし資産3000万円を毎年120万円を取り崩す

(B)30年年率平均リターン4%とし資産3000万円を毎年120万円を取り崩す

(B1)30年年率平均リターン4%とし資産3000万円を6年後から毎年120万円を取り崩す

(B2)30年年率平均リターン4%とし資産3000万円を11年後から毎年120万円を取り崩す

数字の羅列ではわかりにくいのでグラフにしてみますね。

資産Aは最初にプラスリターン、資産B・B1・B2は最初にマイナスリターンとしていますが30年年率平均リターンはともに4%になります。

-20%の下落が5年連続で起きるかといわれれば現実的にはほぼないんじゃないかと考えていますが最大リスクとしてこれぐらいのシミュレーションはしておきたいといったところです。

資産B1・B2は途中から取り崩す設定にしていますが資産寿命が延びていますね。これはマイナスリターンの時は取り崩さない、取り崩しを少なくした方が資産寿命は延びるということを意味しています。

ちなみにMSCI コクサイ・インデックス (KOKUSAI) (円)の年次リターンが連続マイナスなのは最大2年です。

出典:my index(https://myindex.jp/data_i.php?q=MS1105JPY)

SRR(Sequence of Return Risk)シークエンス・オブ・リターン・リスクの対策

年間支出の5年分の現金を確保

一番堅い対策は年間支出の5年分の現金を確保することです。資産B1ではそのようなシミュレーションですが18年目にはマイナスになっています。しかし5年連続マイナスリターンはなかなか起こらないでしょうから現実的には5年分で十分に対応できると考えています。

資産B2では10年分の現金を確保したシミュレーションですが年300万円としても3000万円が必要になりますからあまり現実的ではありませんね。

5年分の現金確保が厳しいなと感じたらこんな方法もあります。

関連記事:【インデックス投資の出口戦略】4%ルール破綻を回避する現金クッションと利回りシールド

インデックス投資以外の収入を確保

現金もしくは何らかの収入で年間支出をまかなうことが出来ればいいわけですから、労働や配当金、年金などの収入も加味して対策していくことがベターとなります。

想定リターンを上回ったときに利確しておく

今回のシミュレーションでは最悪の初期5年マイナスリターンで検証していますが基本的にはマイナスリターンの時には取り崩さない方が資産寿命は延びます。そう考えたときに想定リターンを上回ったときに利確しておくのもありでしょう。

想定リターンを上回るとは年間支出額以上のリターンが出たときですね。

私が考えるインデックス投資のシンプルな出口戦略

SRR(Sequence of Return Risk)シークエンス・オブ・リターン・リスクも注意しておかなければならないリスクですが4%ルールの取り崩しは次のような形でシンプルにしても問題ないと考えています。

1 年間支出額の5年分の現金を確保(生活費として使用)

2 年リターンが4%以上の場合は運用資産を売却して1を確保

3 年リターンが4%以下の場合は1を使用して生活

※売却時期は年単位・四半期・毎月など


【この記事を書いた人:クロスパール】

1971年生まれ、2017年9月にセミリタイア達成。資産運用の中心はインデックス投資で趣味として日本個別株を保有。日本株は配当・優待を長期に享受するスタイルです。

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SRR(Sequence of Return Risk)シークエンス・オブ・リターン・リスクを知っていますか? インデックス投資の取り崩し時期にプラスのリターンが先に来るのかマイナスのリターンが先に来るのかでその後の結果が大きく変わるというものです。

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4%ルールを盤石のものとする為に現金クッションと利回りシールドの概念は知っておいても損はないでしょう。こういった考えをもとに自分なりにアレンジしていくことが破綻を回避する近道だと思います。

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2017年9月(45歳)セミリタイア、その後鳥取に移住してのんびり暮らしています。資産運用の公式(収入-支出)+(資産×運用利回り)を守りながらインデックス投資を継続中。お金のことやセミリタイアの日常、ダウンシフトした働き方などを発信します。

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