あるセクターが上昇する局面ではあるセクターが下落傾向にある、その逆もしかりですが打ち消し合うセクター(業種)の株を保有することでポートフォリオ全体の動きをマイルドにすることができます。
そうすると株価全体の動きとしてはさざ波になり、配当と優待をもらいながらじっくり大きく育てていけるような形が理想だと考えています。
〇〇ショックの時のような何でもかんでも下がる状況のときは仕方がないですが平時や景気サイクルが進行していく過程においては日本株セクター分散投資は効果を発揮するのではないでしょうか。
日本株セクター相関図
野村アセットマネジメントの業種別ETF(TOPIX-17シリーズETF)の資料を見てみます。
短い期間ですがパッと見ただけでもリターン上位セクターは年ごとに入れ替わっているのがわかります。相対的に銀行が弱い時代でしたね。大きく分けると3つのセクターに分類できるようです。
・景気敏感セクター(素材・化学、自動車・輸送機、機械、電機・精密)
・ディフェンシブセクター(食品、医薬品、電気・ガス、運輸・物流)
・金利敏感セクター(銀行、不動産)
簡単に説明すると景気や企業の業績が好調なときは景気敏感セクターが上昇して、不景気にはディフェンシブセクターが強いということです。金利敏感セクターは金利動向に左右されることになりますね。
それではこれらの3つに分類されたセクターを同割合で保有すればいいでしょうか?
2009~2019年は低ボラティリティポートフォリオの圧勝
低ボラティリティポートフォリオ、高ボラティリティポートフォリオ、TOPIXを比較した資料があります。
低ボラティリティポートフォリオとは運輸・物流、食品、小売、情報通信・サービスその他、建設・資材。
高ボラティリティポートフォリオとはエネルギー資源、銀行、金融(除く銀行)、鉄鋼・非鉄、機械。
出典:野アセットマネジメント(https://nextfunds.jp/semi/article601.html)
グラフを見ると一目瞭然ですが低ボラティリティポートフォリオの成績が際立っています。
TOPIXの動きを見ればわかりますがアベノミクス以降株価は上昇傾向にあるもののなかなか上昇トレンドに乗れていないことがわかります。
つまり景気はそれほど良くなかったと言えるでしょう。その中で低ボラティリティポートフォリオの成績が際立つのは自然なことですね。
ディフェンシブセクターと景気・金利敏感セクターに分けてみる
TOPIX-17シリーズETFは東証33業種を集約したものになります。
出典:野村アセットマネジメント(https://nextfunds.jp/semi/article63.html)
これらを分解すると次のようになります。
ディフェンシブセクター、低ボラティリティの業種は水産・農林業、食料品、医薬品、電気・ガス、陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連業、小売業、その他製品、情報・通信業、サービス業、建設業、金属製品、ガラス・土石製品となります。
景気・金利敏感セクター、高ボラティリティの業種は繊維製品、パルプ・紙、化学、ゴム製品、輸送用機器、機械、電気機器、精密機器、銀行業、証券・商品先物取引業、保険業、その他金融業、不動産、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼・非鉄金属となります。
文字の羅列だとわかりにくいので表にしてみますね。
概ね半々に分かれていました。もっと偏っているのかとイメージしいていたので意外でした。卸売業は商社株等になるのでポートフォリオには組み入れたいですね。
さて今後の日本株相場がどうなるのかはわかりませんが、不況になっても強い低ボラティリティポートフォリオを主軸に組み立てていくのが無難だと考えています。卸売業はぜひ組み入れたいセクターですから便宜上ディフェンシブセクターに分類しておきますね。
日本株セクター分散投資のポートフォリオ
今後は次のようなポートフォリオを目指していきたいと考えています。
基本的には単元株を購入するのでうまく比率調整ができないことも考えられますが5%以内の乖離に抑えるようにしていきたいです。またこの目安は購入時点でのものとします。そうでなければ株価の変動で頻繁に変わることになりますからね。
個別株の選定方法についてはこちらの記事をご覧ください。
【最新版】罠銘柄を避ける!安心して長期保有できる日本高配当株の見つけ方
SBI証券ではこちらのページから各セクターの銘柄を見ることができます→業種別株価指数値上がり率上位ランキング
参考資料:日本株の業種別投資を再考する
【この記事を書いた人:クロスパール】
1971年生まれ、2017年9月にセミリタイア達成。資産運用の中心はインデックス投資で趣味として日本個別株を保有。日本株は配当・優待を長期に享受するスタイルです。
セミリタイアするまでの軌跡はこちらをご覧ください。
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